関西学院大学のアメリカンフットボール部はご存知でしょうか。
関西が誇る全国区のアメフト強豪校です。
関関同立で有名な関西次第の雄の一つである通称関学(かんがく)
メディアで一気に取り沙汰された2年前(2018年)の日大アメフト事件が有名ですよね。
彼らは学生日本一を決める甲子園ボウルに歴代最高の30回の優勝を誇る強豪チームです。
アメフト界では知らない人はいない名門校です。
その関学アメフト部で約40年近く携わり、監督して数多くの功績を残されたのがこの本の著者鳥内監督になります。
タイトルは『どんな男になんねん』
副題に鳥内流「人の育て方」とあるのですが、まさに人の育て方の本でした。
それも今後の教育で導入が決まっているアクティブラーニングのまさに実践例のような内容でした。
引用文から。
関西学院のフットボールはもともと頑張るのが大前提。誰かのためとはちゃうねん。
自分のためにやらなあかんねん。
そのかわり、自分で勝つと宣言したんやったら、絶対に達成せいよ、という話です。
男として。人間として。
どんな男になんねん。そういうことです。
~中略~
結局、関西学院という場で人間力を磨いてもらうのがいちばんの目的です。
目標に向かって、何が必要なのかを考え、練習し、試合で実行する。そのなかで仲間とディスカッションして、大人と議論を戦わせる。ここは教育の場なんです。
ちなみに鳥内監督の言葉を口語体で編集したのが生島淳。
NHK-BSのワールドスポーツMLBなどのキャスターを務めた幅広いスポーツに造詣の深い方です。
この敢えて口語体のまま、編集したというのも人間味と関西人ならではの関西弁のニュアンスが感じられ非常に良かったと感じました。
アクティブラーニングとは…
まずアクティブラーニングについて説明します。
具体的には、グループワークやディベートが一例としてあげられ、学修者の認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験といった能力を育むことが目的とされています。
簡単に伝える自発的に取り組む学習法の事
ポイントは何を学ぶか、ではなくどのような姿勢で学ぶか。
アクティブラーニングというとグループワークやディスカッションというところがキーワードとして目立ちますが、本来の目的は『主体的に学習する』という事です。
主体的に学習する ←ココはポイントですね
関学アメフト部は著名企業への就職が多い
関学アメフト部出身者がどれだけ評価されているか分かりやすい例として著名企業への就職が多いという点です。
名立たる企業から選ばれる学生たち。
そして彼らを指導する鳥内監督をはじめとするコーチ陣。
そこには人間形成のエッセンスが詰まっているに間違いありません。
少し古い記事ですがこの記事もご参考に

成長を促す鳥内監督による4年生との1対1の個別面談
鳥内監督は学生が4年生になると一人ずつ面談を行います。
その面談の真意とは
・どういう覚悟で取り組むのか、その真意を知りたい
・リミットが決まっている物に対してどう取り組むのか聞きたい
コワモテの鳥内監督との面談。空気もピシャリとして覚悟が決まりそうですよね。
そして問われる内容も生半可なものではありません。
監督からのQ&Aを事前想定する準備っぷり。
しかもこの鳥内面談、録音に残させるのです。
学生たちは録音を繰り返し聞くか、振り返りをメモに残す。
自分の目標を常に見続けることでそこに到達するためには何をしなきゃならないんだ、と問いを繰り返すのが人間形成のエッセンスになっているように感じられました。
鳥内面談に挑むコージ・トクダ
芸人からプレイヤーに復帰したコージ・トクダ(法政大アメフト部出身・元キャプテン)さんがそんな鳥内面談を体験したいとの希望でYouTube上で動画がありました。
ちなみにこの朝日新聞記者の榊原氏は元関学の副主将です。
この動画自体15分程度のものですが会話の中には光るモノが随所に出てきます。
鳥内監督はハードプレッシャー
常に学生に対して自分のアタマで考えて、その目標に対してのゴールを設定させること。
その目標設定に対しての監督のアプローチは甘いものではありません。
むしろハードプレッシャーを与えます。
「お前たちはどうしたいんやと」
「考えて毎日を過ごせよ」
「人生は真剣勝負や」
「並みで終わるの、お前の人生は」
「絶対できるか、できひんかったらどうすんねん」
「立場はどうでも勝つことを目指さないといけない」
有言実行になるようなサイクルの繰り返し。
生半可な気持ちじゃ続かないですよね。
そしてこれが出来るとなると人間力の重みは増してきますよね。
まさにアクティブラーニングを地で行く感じです。
子育てに迷ったときに読みたい1冊です。
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